前作『RACING』で”変わったな？”と感じさせる音になっていたLOUDNESSですが、あれから約２年ぶりにリリースされる新作は、ズバリ”直球勝負で来た！”って感じです。
　へヴィメタルは、やはりある種のキャッチーさが求められると思うのですが、新作ではそれが充分にあります。思わず一緒に歌いたくなるようなメロディ、ギターを手にとって弾いてみたくなるようなリフ・フレーズが満載です。
このアルバムを聴いていると「ん？」と、以前どこかで聴いたことのあるような曲展開とかリフ、フレーズがあるのですが、それはLOUDNESSとして今まで２５年間蓄積してきたものを余すところなく吐き出していると考えるならば、その濃密な仕上がりはLOUDNESSファンであれば堪らないものであるはずです。これこそがLOUDNESSというバンドの個性なんだと解釈できるものです。

　音はソリッドで生々しく、しばらくずっと携帯プレーヤーのヘッドフォン経由で繰り返し聴いているのですが、鼓膜を通り越して脳内に突き刺さってくるような音です。
曲によっては極端な音像ミックスもあって、それがそれぞれのパートを際立たせる効果を充分に果たしています。

　このアルバムを引っさげて来年早々にはライブが予定されているわけですが、是非とも新作の曲のみ！のような大胆な構成を期待したくなります。アルバム全曲を収録曲順で全て演奏する、といったような。
このアルバムの中から、どれくらいライブでの定番曲として定着していくものがあるのかについて興味がありますし、この方向性の音をあらためて海外のファンが聴いたらどのような反応なのか？についても興味のあるところです。

２５周年の年末ギリギリに間に合った新作、今のLOUDNESSを充分にパッケージした内容に仕上がっています。
是非、年末年始にジックリ聴きこんでみて下さい。